カメラ用SDカード3製品を比較|V30・V60・V90の選び方

V30・V60・V90から撮影モードに合うSDカードを選ぶイメージ
V30・V60・V90から撮影モードに合うSDカードを選ぶイメージ

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SDカードは「いちばん速いもの」を買う前に、使いたい撮影モードが要求するクラスを確認するのがおすすめです。同じ4K動画でも、記録方式や同時に保存するファイルによって、必要なカードが変わります。

この記事では、V30・V60・V90から1製品ずつ、128GBモデルを比較します。メーカー公式資料に基づく選び方の解説であり、実機の速度・耐久性を測定したランキングではありません。仕様の確認日は2026年9月9日です。

結論:まず必要なクラスを決め、その中から選ぶ

撮影の条件 候補にするクラス この記事の製品候補 選ぶ前の注意
写真中心、動画はU3指定の設定 U3・V30 SanDisk Extreme PRO UHS-I 128GB 高速連写の持続性能はV30の表示だけでは分からない
動画やプロキシー記録でV60を指定される V60 ProGrade Digital V60 GOLD 128GB V90必須モードの代わりにはならない
動画でV90を指定される V90 SanDisk Extreme PRO UHS-II V90 128GB カメラ側の端子や記録方式にも条件がある

「4KだからV90」「写真だから遅いカードでよい」と決めつけず、取扱説明書と照合してください。ここでいう候補は規格上の選択肢で、カメラメーカーによる個別商品の動作保証を示すものではありません。

カードの200MB/sとV30は、別の数字

SDカードには容量、通信規格、最大速度などが並んでいます。大きく印刷された数字だけで選ぶと、読み出しと書き込みを取り違えがちです。

表示 意味 主に気にする場面
128GB 保存容量 写真枚数・録画時間
UHS-I/UHS-II カメラやリーダーとの通信規格 機器との対応関係
最大読み出し速度 カードからデータを取り出す速度の公称上限 PCへの取り込み
最大書き込み速度 カードへ保存する速度の公称上限 撮影データの保存
V30/V60/V90 規格条件下での最低書き込み速度の区分 動画の継続記録

ビデオスピードクラス(動画記録用の最低書き込み性能を示す規格)は、V30が30MB/s、V60が60MB/s、V90が90MB/sです。最大書き込み90MB/sの製品でも、V90を満たすとは限りません。

V60・V90の性能を利用するには対応するバスモードも必要です。UHS-IIカードを差しただけで、UHS-IのカメラやリーダーがUHS-IIになるわけではありません。機器が指定するクラスの表記を確認しましょう。SD Association「スピードクラス」

カメラ名だけでなく、記録設定まで確認する

記録方式の名称はカメラのメニューに合わせています。LGOPは複数フレームをまとめる圧縮方式、S-Iはフレームごとに圧縮する方式です。以下の設定表では、名称を省かずに照合することを優先します。

すでに紹介したYouTube向けミラーレスの比較記事から、2機種の設定例を取り上げます。

カメラ 設定例 メーカーが示すカード条件
EOS R50 V 4K・XF-AVC S YCC420 8bit・標準LGOP・29.97p UHSスピードクラス3(U3)以上
EOS R50 V 4K Crop・XF-HEVC S YCC422 10bit・標準LGOP・59.94p V60以上
ZV-E10 II 通常動画、XAVC S 4K、プロキシー記録「切」 SDHC/SDXC、U3以上
ZV-E10 II 通常動画、XAVC S 4K、プロキシー記録「入」 SDXC、V60以上
ZV-E10 II 通常動画、XAVC S-I 4K、プロキシー記録「切」 SDXC、V90以上

プロキシーは編集用に併せて保存する軽量な動画ファイルです。ZV-E10 IIでは、この設定を切り替えるだけでも必要クラスが変わります。スロー&クイックモーションは別条件なので、この表をそのまま当てはめないでください。

Canonの2行も、4Kの全設定を代表するものではありません。表の条件を省略せず、撮影前に自分のメニューと見比べてください。

出典:Canon「EOS R50 V 主な仕様」Sony「ZV-E10M2 使用できるメモリーカード」

Mbpsを8で割る計算だけでは、カードを決められない

Mbpsは1秒あたりのメガビット、MB/sは1秒あたりのメガバイトです。1byte=8bitなので、たとえば225Mbpsは次のように換算できます。

225 ÷ 8 = 28.125MB/s

「30MB/sより小さいからV30でよい」と思うかもしれません。しかし、先ほどのEOS R50 Vの4K Crop・XF-HEVC S YCC422 10bit・59.94pは、225MbpsでもV60以上の指定です。Canonの映像ビットレートには音声とメタデータが含まれません。

ビットレートの換算は理解の補助。購入時はメーカーの要求カード性能を優先してください。

225Mbpsの換算結果とメーカー指定V60を分けて確認する図

※画像は生成AIを用いた独自生成イメージです。

比較する3製品:容量を128GBに揃える

製品 通信規格・動画クラス 最大読み出し/書き込み 主な選定理由 弱点・制約
SanDisk Extreme PRO UHS-I 128GB UHS-I・U3・V30 200/90MB/sの世代 U3指定の撮影設定で検討できる 同名の速度違いがある。V60指定には使わない
ProGrade Digital V60 GOLD 128GB UHS-II・U3・V60 250/100MB/s V60指定の動画設定とUHS-II取り込み V90指定には不足
SanDisk Extreme PRO UHS-II V90 128GB UHS-II・V90 300/300MB/s V90指定の動画設定 UHS-IIを利用できる機器か確認が必要

数値はメーカー公称値で、この記事の実測ではありません。カードリーダー、接続規格、データの種類などで速度は変わります。とくにUHS-I製品の高速読み出しはメーカー独自方式への対応条件があります。

同じ128GBでも、国内向け品・輸入品・同名の新旧世代を混同しないことが大切です。価格と在庫は変動するため、固定価格での順位は付けていません。

SanDisk UHS-I 128GBを写真とU3指定動画に使う用途イメージ

※画像は生成AIを用いた独自生成イメージです。

SanDisk Extreme PRO UHS-I 128GB:U3指定の設定で始めたい人へ

写真撮影と、U3指定の通常動画を組み合わせる人の候補です。今回比較するのは、読み出し200MB/s・書き込み90MB/sと案内される128GBモデルの世代。対象型番はSDSDXXD-128G-GN4IN、Amazonの商品識別番号(ASIN)はB09X7FXHVJです。

必要クラスがU3なら、V60やV90へ上げる前に、十分な容量と予備カードの確保に予算を振る選び方もあります。ただし、これは価格や実測速度の優位を保証するものではありません。

向かないのはV60・V90必須の設定です。 最大書き込み90MB/sという数字があっても、V90指定の動画設定を満たす根拠にはできません。同名シリーズには別の速度世代もあるため、購入先の型番・容量・表記を確認してください。輸入品に国内正規品と同じ保証が適用されるとも限りません。

仕様出典:メーカー製品ページ・128GBモデル

ProGrade V60 128GBと本動画・プロキシー記録の用途イメージ

※画像は生成AIを用いた独自生成イメージです。

ProGrade Digital V60 GOLD 128GB:V60指定の動画設定を使いたい人へ

V60を要求する撮影モードを使うなら、このクラスを選ぶ理由が明確になります。対象は型番PGSD128GBKJP、ASIN B07T89V5Z9です。128GBモデルはUHS-IIに対応し、メーカー公称の最大読み出し250MB/s・最大書き込み100MB/sです。日本向け資料の容量別表では、256GB・512GB・1TBは130MB/sなので、128GBと区別してください。

たとえば前の表にある、プロキシー記録を有効にした通常のXAVC S 4Kなどは、V60が必要となる例です。対応するリーダーを使えば、カメラでの記録だけでなくPCへの取り込みも比較軸にできます。

一方で、V60はV90の代用ではありません。XAVC S-I 4KなどV90を指定される設定まで使う予定なら、必要条件を満たす製品を選び直します。 使わない設定のために上位クラスを買う必要はありませんが、今後設定を変える予定があるなら、その予定も含めて判断しましょう。

仕様出典:メーカーのV60データシート日本向けラインアップ資料

SanDisk V90 128GBとフレーム単位の動画記録の用途イメージ

※画像は生成AIを用いた独自生成イメージです。

SanDisk Extreme PRO UHS-II V90 128GB:V90必須の設定を使う人へ

V90指定の動画モードを選ぶ人向けの候補です。ここで比較する型番はSDSDXDM-128G-GN4IN、ASINはB0DLWTWM4Rです。メーカー公称の最大読み出し300MB/s・最大書き込み300MB/sを持つ128GBモデルです。

前の表なら、ZV-E10 IIの通常動画でXAVC S-I 4Kを使う場合がV90指定に当たります。使うモードから必要性を説明できるなら、上位クラスを選ぶ理由があります。

ただし、V90を買えばすべてのカメラ機能が使えるわけではありません。 記録媒体の種類やカメラ本体の条件は別です。CFexpressなど別媒体が必要なモードを、V90のSDカードで代替することもできません。

310/304MB/sを案内するSDSDXDE系とは別の製品です。300MB/sという数字だけで同一商品と判断せず、型番まで確認してください。輸入品の保証条件も購入先で確認が必要です。

仕様出典:メーカー製品ページ・V90 128GBモデル

128GBでどれくらい撮れる?容量を計算してみる

動画の容量は、解像度よりも記録ビットレートを使うと見積もりやすくなります。ここでは128GB=128,000MBとして、カード全体を映像だけに使う仮定で計算します。

録画時間の概算(秒)=容量(MB)÷[ビットレート(Mbps)÷8]

200Mbpsなら、200÷8=25MB/s。128,000÷25=5,120秒、60で割ると約85分です。

仮定するビットレート 1秒のデータ量 128GBの算術上の時間
100Mbps 12.5MB 約171分
200Mbps 25MB 約85分
600Mbps 75MB 約28分

これは計算例で、カメラの実録画時間ではありません。使用可能領域、音声などの付加データ、変動するビットレート、温度や連続撮影上限は含めていません。実際の準備では取扱説明書の記録時間を確認し、撮影予定に余裕を持たせてください。

写真なら、仮に1枚30MBとして128,000÷30≒4,267枚です。RAWの圧縮やJPEGの同時保存で変わるので、手持ちカメラの実ファイルを数枚確認すると見積もりやすくなります。RAWとJPEGの違いも参考にしてください。

写真の連写は、容量とVクラスだけでは判断できない

仮に1枚30MBの画像を毎秒20枚作ると、データの発生量は600MB/sです。ただし、その全量を毎秒そのままカードへ書けなければ撮れない、という意味ではありません。

カメラはバッファ(一時的に画像をためるメモリー)を使います。撮影で生まれるデータと、カードへ書き出すデータの差がたまり、空きが減ると連写が制限される場合があります。連写枚数は画像形式、カメラの書き込み性能、バッファなどにも左右されるため、V90だからV30の3倍連写できるとは計算できません。

撮影データを一時保存するバッファの空きとカード書き出しの関係

※画像は生成AIを用いた独自生成イメージです。

購入前と撮影前のチェック

  1. カメラの取扱説明書で、使う記録方式・フレームレート・プロキシー設定の必要クラスを確認する。
  2. 商品の容量、型番、速度世代、SDかmicroSDかを確認する。同名シリーズだけで判断しない。
  3. 保証条件と販売元を確認する。安さだけで国内正規品と輸入品を同一視しない。
  4. PCへの転送も重視するなら、カードリーダーと接続先の規格を確認する。
  5. 必要なデータをバックアップしてからカメラで初期化し、本番で使う設定で試し撮りする。

初期化するとカード内のデータは失われます。Canonは新しく買ったカードなどをカメラ側で初期化するよう案内しています。使用できるカードについて

選ぶ順番は、撮影モードの必要条件→必要容量→商品と型番→価格・保証です。この順序なら、単に高いカードを選ぶのではなく、自分の撮影に必要な1枚へ絞れます。

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