
光条(こうじょう)とは、写真の街灯などを中心に、放射状に伸びて見える光の筋です。 夜景の小さな照明が星のようにきらめく写り方で、光芒(こうぼう)と呼ばれることもあります。
手持ちのカメラで試すなら、まず動かない小さな照明を選び、カメラを固定してF値(絞りの開き具合を表す値)を変えて撮り比べます。絞りによる光条は、背景の光をぼかす玉ボケとは撮り方が異なります。光源付近の建物などにピントを合わせ、線の形と周囲の細部を確認するところから始めてください。
この記事の作例イメージと図は、説明のために生成AIで作成しています。実写比較や、特定のレンズ・設定の性能を示すものではありません。
光条は、光源から放射状に伸びる線
夜景の街灯を撮ると、肉眼では小さな光に見えた場所から、写真では何本もの線が伸びることがあります。レンズの絞りに由来する光条は、光の回折(光が小さな穴や縁で広がる性質)と絞りの形に関係します。ここでは、クロスフィルターなどで加えた効果を使わずに撮る場合を説明します。富士フイルム「光源を中心に四方に光が伸びる」
光条を入れると、街灯や建物の照明をアクセントにできます。一方、線が長すぎたり、光源が多すぎたりすると、建物の形より光の線が目立つ写真にもなります。
「光芒」は、雲の隙間から差す光のような自然現象を指す場合もあります。この記事で扱うのは、夜景の光源を中心に星形に伸びる光です。

*光条の強さによる印象の違いを示す生成作例です。特定のF値やレンズによる実写比較ではありません。*
玉ボケ・フレア・ゴーストとは何が違うか
写真に写る丸い光、白いかすみ、星形の線は、同じ仕組みとは限りません。最初は、どこから光が伸びているか、何がぼけているかを見ます。

*代表的な見え方を区別するための生成イメージです。実際には複数の現象が同時に現れることもあります。*
| 現象 | 代表的な見え方 | 撮影時に見るところ |
|---|---|---|
| 光条 | 光源を中心に放射状の線が伸びる | 線の中心と実際の光源が重なるか、F値でどう変わるか |
| 玉ボケ | ピントの外にある小さな光が丸く広がる | 主役にピントを残し、背景の光をぼかしているか |
| フレア | 写真の一部や全体に白いかすみがかかる | 光源との角度を変えると、かすみが変わるか |
| ゴースト | 光の玉や多角形などが別の場所に重なる | 光源の位置やカメラの向きを変えると、像が動くか |
フレアとゴーストには、レンズ内などでの反射が関係します。ゴーストも絞りの形に見えることがありますが、絞りに由来する光条とは発生の仕方が異なります。Panasonic「レンズの特性:フレア、ゴースト、収差」
これらは一枚の写真に同時に現れることもあります。表は確認の入口として使い、形だけで原因を確定しないでください。対処を詳しく知りたい場合はフレア・ゴーストの記事、丸い光を作りたい場合は玉ボケの撮り方へ進めます。
夜景の光条は、カメラを固定して絞りを比較する
最初は、遠くの街灯や建物の小さな照明など、動かない光を一つ選びます。大きな発光看板よりも、小さくまとまった光の方が線の形を比べやすくなります。点として扱えるほど小さな光源を、点光源と呼びます。
三脚が使える場所では、通行を妨げない位置でカメラを固定します。三脚が使えない場合は無理に長い露光をせず、固定できる場所や撮影条件を選び直してください。
比較用の設定
レンズ交換式カメラで絞りを変更できる場合、F8・F11・F16を比較の候補にできます。どれが適切かはレンズと光源で異なり、すべての値を試す必要もありません。
| 項目 | 比較するときの設定 | 注意点 |
|---|---|---|
| 撮影モード | A・Avなどの絞り優先 | F値を自分で選び、カメラがシャッター速度を調整する |
| F値 | F8から撮り、必要ならF11・F16へ | 数値を大きくする操作が「絞る」。光条の出方はレンズで異なる |
| ISO感度 | 低めの固定値で比較を始める | ISOオートでは絞りと同時にISOも変わり、比較条件が増える |
| ピント | 光源付近の建物など、同程度の距離の輪郭へ合わせる | 明るい光の中心だけでは合わせにくい場合がある |
| シャッター速度 | 撮影ごとに表示を確認する | 絞ると遅くなる場合がある。必要な秒数は明るさで変わる |
| シャッターの操作 | セルフタイマーなどを使う | ボタンを押したときの揺れを避けるため |
固定による手ブレ対策と、被写体の動きへの対策は別です。車や人を入れると、その動きが線やぼけとして写ることがあります。富士フイルム「夜景の撮影にチャレンジしませんか?」

*同じ条件でF値を比較する手順の図です。絞りの穴は模式的に描いており、寸法や特定レンズの形状を示していません。*
一つずつ変えて撮る手順
- 光源と構図を決める。 主役の建物と、星形に見せたい照明を選びます。
- カメラを固定してピントを合わせる。 建物の窓枠などを拡大し、ピントを確認します。
- F8などで一枚撮る。 全体の明るさと、光源の周囲の線を見ます。
- 同じ位置・ズーム・ピントでF値を変える。 F11、必要ならF16へと比較します。シャッター速度の変化も確認します。
- 光源と建物の両方を拡大する。 線が読めるか、建物の細部が流れたり甘くなったりしていないかを見ます。
- 全体表示に戻して選ぶ。 光条が主役を隠さず、夜景として見せたい形が残っている写真を選びます。
これは手持ちのレンズで傾向を確かめる練習方法です。「F16なら必ずきれいな星形になる」という条件ではありません。絞りと光芒のバランスは、Nikon「最適な絞りの見つけかた」でも、絞り値を決める判断材料として紹介されています。
線の本数と形が、レンズで変わる理由
光条の本数には、絞り羽根(光の通り道を開閉する薄い部品)の枚数と形が関係します。一般的な多角形の絞りでは、羽根が偶数枚なら同じ本数、奇数枚なら2倍の本数が目安です。
| 絞り羽根の例 | 光条の本数の目安 |
|---|---|
| 6枚 | 6本 |
| 7枚 | 14本 |
| 8枚 | 8本 |
| 9枚 | 18本 |
ここでは、光の中心から外へ伸びる線を一本ずつ数えます。中心を通り抜ける一本の直線として数える方法とは異なります。
この関係とレンズによる違いは、富士フイルムの光条の説明で確認できます。実際には羽根の丸みや撮影条件によって、線が弱く見えたり重なって見えたりするため、写真の本数だけでレンズを特定することはできません。
線の多さが画質の高さを示すわけでもありません。すっきりした夜景にしたいか、きらめきを強調したいかという表現上の違いとして見てください。
出ない・にじむ・線が流れるときの確認
| 撮れた結果 | 確認すること | 次に試す操作 |
|---|---|---|
| 光が丸くぼける | 光源付近にピントが合っているか | 同じ距離の建物などへ合わせ直す |
| 線がほとんど見えない | 光源が大きく広がっていないか、絞りを変えたか | 小さな照明へ変え、F値を一段ずつ比較する |
| 光の周りが白い塊になる | 明るすぎて線と中心を区別しにくくないか | 露出補正を少し暗い方向へ変え、周囲も確認する |
| 建物も光も同じ方向へ流れる | 撮影中にカメラが動いていないか | 固定とシャッター操作を見直す |
| 車のライトだけが線になる | 光源自体が動いていないか | 静止した街灯で光条の形を確認する |
| 白いかすみや別の光の玉が出る | フレア・ゴーストが重なっていないか | カメラの向きや撮影位置を少し変えて比べる |
| 強く絞ると建物の細部が甘い | 回折による影響が増えていないか | F値を戻して比較する |
露出補正は、カメラの自動露出に対して写真を明るく・暗く調整する操作です。街灯の中心が多少白く写ることはありますが、大きな白い塊で線まで見分けにくいなら、明るさを下げて比べます。街全体が暗くなりすぎた場合は、光源や時間帯を選び直す方法もあります。
絞りすぎによる回折は、光条を強く見せたいときにも考える必要があります。線が長くなっても、建物の細部が好みより甘くなるなら、少し絞りを戻して選びます。詳しくは回折現象と絞りすぎの関係を参照してください。
光条は、長さより主役との重なりで選ぶ
光の線が、建物の窓や人物の顔を横切ると、見せたい細部が分かりにくくなります。最初は光源が密集した場所より、一つか二つの照明をアクセントにできる構図から試すと、強さを判断しやすくなります。
| 表現の方向 | 写真を見るときの目安 | 調整の候補 |
|---|---|---|
| 建物の形を主役にする | 光条より建物の輪郭が先に分かる | 線を控えめにし、窓などへの重なりを減らす |
| 光のきらめきを主役にする | 線の中心が分かり、光源ごとの形が読める | 光源の位置と数を整理する |
| 光が多くてごちゃつく | 線が重なって何を見せたいか分かりにくい | 構図を狭める、光条を弱める、位置を変える |
同じレンズでも、どの照明をどこへ入れるかで写真の印象が変わります。光条の形だけを拡大して終わらず、最後は全体表示で主役との関係を確認してください。

*建物を主役にしたい場合の見比べ方を示す生成作例です。強い光条を使う表現を一律に否定するものではありません。*
よくある疑問
クロスフィルターが必要ですか?
レンズの絞りによる光条を試すなら、必須ではありません。クロスフィルターは、点光源から光の線を作るための別の方法で、製品によって線の本数や方向を変えられます。Kenko「クロスフィルターの使い方ガイド」
フィルターを使った写りでは、絞り羽根の枚数だけから線の本数を考えることはできません。まず手持ちのレンズだけでどう写るかを確認すると、違いを把握しやすくなります。
スマホでも星形の光を撮れますか?
スマホでも光から筋が出ることはありますが、原因や見え方は機種と条件によって異なります。F値を変更できない機種では、本記事の絞り比較はそのまま使えません。画像処理の効果や、レンズ表面の汚れによる筋を、レンズの絞りによる光条と同一視しないようにしてください。
太陽も星形にできますか?
写真表現としてはありますが、ここで示した手順は夜景の通常の照明を対象にしています。太陽を直接見たり、光学ファインダーでのぞいたりする方法は避けてください。初めての比較は街灯や建物の照明で行うと、構図と設定を落ち着いて確認できます。



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