
*光の経路を説明する独自の模式図です。実写・実測の作例ではありません。*
バウンス撮影とは、ストロボの発光部を天井や壁に向け、反射した光で被写体を照らす撮り方です。 人物へ直接光を当てたときに背後の壁へ濃い影が出るなら、近くに白い反射面があるかを確認します。天井なら上から、壁なら横や斜めから光を届けられます。ただし、天井が高い、反射面が暗い・色付き、発光部を回せない場合は、同じ効果を期待できません。キヤノンの写真用語集とソニーのヘルプガイドも、光の方向と反射面の条件を説明しています。
この記事の比較図は光の経路を示す模式図です。同じ部屋・被写体・露出で撮った実写比較ではありません。
直射・天井・壁で何が変わる?
直射では、カメラ上のストロボから被写体へ光が届きます。人物のすぐ後ろに壁があると、壁に目立つ影が出る場合があります。バウンスでは、天井や壁の反射面が被写体から見た光の入り口になります。どこで反射させるかによって、顔や背景にできる影の位置が変わります。ニコンのSB-5000解説では、直射、天井バウンス、壁バウンスの印象を比較しています。
| 光の向け方 | 被写体へ来る方向 | 期待する変化 | 確認したい弱点 |
|---|---|---|---|
| 直射 | カメラ付近から正面 | 反射面がなくても光を当てられる | 背後の壁に濃い影が出たり、顔が平板に見えたりする |
| 天井バウンス | 上から | 正面からの強い照り返しを避け、影をやわらげやすい | 高い天井では暗くなり、鼻やあごの下の影が気になることがある |
| 壁バウンス | 横・斜めから | 顔や小物の片側に明暗を作り、形を見せやすい | 壁が遠い・色付きだと光量や色が変わる |

*矢印は光の経路を単純化したものです。影の位置や濃さは撮影条件で変わります。*
背景の濃い影を弱めたいのか、顔に横方向の立体感を残したいのかで、試す反射面を選びます。天井と壁では光が届く方向が違います。ニコンは、天井光で鼻・あご下の影が気になる場合に近い壁を候補に挙げています。キヤノン「バウンス」、ニコン「光をやわらかく―バウンス撮影」
発光前に、反射面を三つの条件で見る
室内を見て、白に近い色・届く距離・被写体に対する位置の順で確認します。白い面なら反射光の色が変わりにくく、近い面なら被写体へ届く光を確保しやすくなります。色付きの壁では肌や白い服に色が乗る場合があります。高い天井や遠い壁は光量不足の原因になり、ガラスも適切な反射面としては勧められていません。キヤノン EL-5の製品マニュアル、ソニーのヘルプガイド

*反射面を選ぶための独自の模式図です。特定の部屋での測定結果ではありません。*
壁を使うなら、光を入れたい側にある白い壁を探します。天井を使うなら、被写体の真上だけでなくカメラの上方や少し後方の天井へ向ける方法もあります。どちらも発光部を上下・左右へ回転できる外部ストロボを前提とするため、使用機種の可動範囲と対応する発光モードを取扱説明書で確認してください。角度の固定値より、反射面に光が当たり、被写体の顔がどう写るかを試し撮りで見る方が確実です。ニコンのSB-5000解説
天井・壁バウンスを試す手順
- カメラへ、発光部の向きを変えられるストロボを装着し、対応する発光モードを選びます。機種ごとの装着方法と同調条件は取扱説明書に従います。
- 人物と背景の位置を決め、近くに白い天井または壁があるか見ます。壁に色があるときは、白い部分を選ぶか、別の光の当て方を検討します。
- 背後の壁の影をやわらげたい場合は天井へ、横からの立体感を出したい場合は壁へ発光部を向けます。発光部が人物を直接照らしていないかも確認します。
- 一枚撮り、顔の明るさ、鼻・あごの下の影、背景の影、白い物の色を見ます。結果に合わせて反射面や向きを変えます。
ストロボの自動調光(カメラとストロボが発光量を調整する機能)を使う場合も、反射面の距離と材質で結果は変わります。撮影後の画像が暗い場合、キヤノンのマニュアルは絞りを開く、ISO感度を上げる方法を挙げています。変更後は顔だけでなく背景やノイズも見てください。キヤノン EL-5の製品マニュアル
うまくいかないときは、症状から戻す
| 写り方 | 最初に確かめること | 次の一手 |
|---|---|---|
| 顔が暗い | 天井が高い、壁が遠い、面が暗い | 近い白い壁・天井へ変更する。まだ暗ければ絞りやISOを調整して再撮影する |
| 鼻やあごの下の影が深い | 光がほぼ真上から来ていないか | 被写体に近い白い壁へ向け、横からの光を試す |
| 肌や白い物に色が付く | 反射面が木目や色付きではないか | 白に近い面へ変更する。選べないときはバウンス以外の光の当て方を検討する |
| 背後の壁に濃い影が残る | 発光部の光が人物へ直接当たっていないか | 反射面へ向きを変え、試し撮りで背景の影を確認する |
この切り分けはキヤノンのバウンス説明、EL-5マニュアル、ニコンの解説にある条件を撮影時の確認順へ整理したものです。反射面がない屋外や、天井・壁が使えない会場では、バウンスを前提にせず、その場で使える別の照明方法を検討します。
人物の瞳に光が入りにくいときは、光源の位置を扱うキャッチライトの解説も参考になります。小物を近距離で撮るときのレフ板や影の扱いはマクロ撮影の照明記事へ分けています。



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