ローカルLLM用128GBミニPCを比較|3機種の違いとMacとの選び分け

ローカルLLM用の128GBミニPC3台をイメージした比較記事のアイキャッチ
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※画像は生成AIを用いた独自生成イメージです。実製品の写真ではありません。

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ローカルLLM(自分のPCで動かす大規模言語モデル)用に128GBのミニPCを選ぶなら、1台で使う接続がそろえばEVO-X2、10GbEと内蔵電源が欲しければGTR9 Pro、拡張カードやUSB4の80Gbps接続まで使うならMS-S1 MAXが検討候補です。同じRyzen AI Max+ 395を搭載していても、周辺機器のつなぎ方や電源の置き場所に差があります。

ただし、先に決めておきたいのは「使うモデルとOS」です。128GBという容量だけでは、そのモデルが希望する速さで動くかは判断できません。Macで動かしているソフトをそのまま移せるかも、別に確認が必要です。

本稿は2026年10月14日に確認した公式情報に基づく購入ガイドです。3機種とも128GBメモリ・2TB SSD構成を対象にし、実機の生成速度、静音性、消費電力は測定していません。市場全体の最新機種ランキングではなく、同じチップ・同じ容量の完成品を選ぶ比較です。

128GB・2TBの3機種を、接続したい機器から選ぶ

3機種の共通部分は、Ryzen AI Max+ 395、内蔵GPUのRadeon 8060S、LPDDR5X-8000メモリです。メモリは基板上に実装されており、一般的なメモリモジュールのように後から差し替えて増やす前提では選べません。

違いが表れる部分を並べます。Gbpsは通信速度の公称値で、LLMの回答速度を表す数字ではありません。

比較軸MS-S1 MAXEVO-X2GTR9 Pro
今回の購入対象128GB/2TB128GB/2TB128GB/2TB
有線LAN10GbE×22.5GbE×110GbE×2
USB4系端子40Gbps×2+80Gbps×2USB4×240Gbps×2
内部SSDスロットM.2 2280×2。PCIe 4.0のx4とx1M.2 2280 PCIe 4.0×2M.2 2280 PCIe 4.0×2
拡張カード用スロットPCIe x16形状、接続はPCIe 4.0 x4同種の内部スロットは公式仕様に記載なし同種の内部スロットは公式仕様に記載なし
電源320W内蔵約230Wの外部アダプター230W内蔵
本体の公称寸法222×206×77mm193×185.8×77mm180×180×90.8mm、ゴム足を除く
選ぶ理由拡張カードや高速USB機器を使う2.5GbEで足りる1台構成10GbE接続と電源の内蔵を両立
購入前の注意SSDの2スロットは接続条件が異なる電源アダプターの置き場所も必要国内での保証窓口を販売者ごとに確認

仕様の出典:MINISFORUM国内仕様、MINISFORUMの接続・電源案内、GMKtec仕様、Beelink国内仕様。電源の数字は定格であり、実際に常時その電力を消費するという意味ではありません。

3機種の有線LAN・USB4・内部拡張・電源を比較した接続条件の図

※画像は生成AIを用いた独自生成イメージです。実製品の写真ではありません。

たとえば、机の上の1台で会話モデルを使い、データも内蔵SSDへ置くなら、10GbEがなくても選択は成立します。一方、NAS(ネットワーク上でファイルを共有する装置)へ大量のモデルや資料を置くなら、PCだけでなくNAS・スイッチ・ケーブルまで含めて10GbEを検討する意味があります。

同じ128GBでも、余分な端子に払う費用を必要なSSDや保証へ回した方がよい人もいます。 本体の価格だけでなく、必要な周辺機器を含む構成で比べてください。

128GBを全部GPUに割り当てるわけではない

この3機種はCPUとGPUがメモリを共有します。単体グラフィックボードのVRAM(GPU専用メモリ)128GBを積んだPCとは、メモリの使い方が異なります。

AMDは、128GB構成でVGM(GPU向けメモリ領域の割当を変える機能)を96GBに設定する例を紹介しています。さらに、共有領域も使えるアプリでは合計112GBへアクセスできる説明がありますが、112GB全部を高速な専用領域として確保できる、という意味ではありません。AMDのVGM FAQ

数字何を表すか購入時の読み方
128GBPC全体の搭載メモリOSや他のアプリも使う
96GBAMDが示す128GB構成のVGM割当例BIOS・ドライバー・実行ソフトの条件を確認
112GBAMDの例で、共有領域を含めGPUからアクセスできる合計共有領域を利用できるアプリが前提。モデル用の空き容量とは異なる
128GBのうち96GBをGPU向けに割り当てる例と推論に必要な領域

※画像は生成AIを用いた独自生成イメージです。実製品の写真ではありません。

モデル本体が収まっても、長文用の余裕が必要

70Bモデルの「B」は10億パラメータを表します。全重みを4bitで保存すると仮定した理想値は、700億×4÷8=350億bytes、つまり35GBです。実際のファイルには量子化の補助情報などが入り、読み込み時にも追加領域を使います。

さらに、長い資料を渡すとKVキャッシュ(過去の入力の途中計算を保存する領域)が増えます。必要量はおおまかに次のように分けて考えられます。

推論に必要な領域=モデルの重み+KVキャッシュ+実行時の作業領域

これにOSや他アプリの領域も必要です。Ollamaも、コンテキスト長(モデルが扱う文章量の上限)を伸ばすと必要メモリが増えると説明しています。Ollamaのコンテキスト長

購入前には、使いたいモデル名、量子化形式、ファイル容量、普段渡す文章量を一組で控えておきましょう。「70Bが動く」という紹介だけでは、長いコードや複数資料を渡したときの条件まで分かりません。

Macと迷ったら、使うソフトとOSを先に決める

Windowsの作業環境を維持したい、Linuxで推論環境を組みたい、という人には今回の3機種が候補になります。Macを選ぶ理由は、単にメモリ容量だけではなく、すでに使っているアプリやApple向けの推論環境を続けられることです。

普段の使い方検討しやすい方向トレードオフ
Windowsの仕事用ソフトと1台で兼用今回のAMDミニPC推論ソフトのGPU経路を事前確認する
Linuxで環境を管理したい今回のAMDミニPC対応OS・ドライバーの組合せを自分で合わせる
Macで使っている推論環境を継続Appleシリコン搭載MacWindows用の手順をそのまま使う前提にはしない
CUDA前提のツールや拡張機能が必須NVIDIA GPU搭載PCを別途検討必要VRAMと本体の設置・電源条件を合わせる

Macの構成を選び直したい人はローカルLLM用Macのメモリと構成比較、単体GPUの増設を考える人はローカルLLM用GPUの選び方で条件を確認できます。

OllamaはWindowsとLinuxで同じ対応表ではない

Ollama(モデルの取得・実行を管理するソフト)の公式資料を確認すると、LinuxのROCm対応表にはRyzen AI Max+ 395が掲載されています。ROCmはAMD GPU向けの計算ソフトウェア基盤です。一方、WindowsのROCm対応表には、この型番の明記がありません。

Windowsで使えないと結論づけるのも早計です。公式資料はWindows/Linux向けにVulkanという別のGPU利用経路を案内しています。したがって、OS名だけでなく、インストールする版・ドライバー・GPU利用経路までそろえて確認する必要があります。Ollama Hardware support

利用経路公式資料から確認できること実機で確認すること
Ollama/Linux/ROCmMax+ 395の掲載あり。ROCm v7ドライバーを案内選んだOS・ドライバーでGPUが認識されるか
Ollama/Windows/ROCm対応表に同型番の明記なしLinuxの掲載をWindowsの動作保証として扱わない
Ollama/Windows・Linux/Vulkan追加のGPU対応経路として案内導入版のバックエンドとGPUドライバー、実際のGPU配置
LM Studio/WindowsAMDがMax+系の導入手順を公開ドライバー、VGM、モデルとGPU割当
Ollama/AppleシリコンMacMetalによるGPU利用を案内Mac側の利用可能メモリとモデル条件

LM Studio(画面からローカルモデルを扱えるアプリ)で始める場合は、AMDの導入ガイドとLM Studioの動作要件を確認してください。アプリの最低要件を満たすことと、任意の大型モデルを動かせることは別です。

これらは資料上の確認で、今回の3台を実際に起動して調べた結果ではありません。NPU(AI向けの専用演算部)のTOPSという数字だけで、使うアプリの回答速度を選ばないようにしましょう。

MS-S1 MAX:拡張カードと高速接続を使う人へ

MS-S1 MAXを選ぶ理由は、外部機器や拡張カードまで含む構成を作れることです。将来使うカードが決まっているなら、形状、消費電力、必要な接続レーンを調べたうえで候補にできます。

注意したいのは「PCIe x16スロット」の読み方です。x16は挿し込み口の形状で、実際の接続はPCIe 4.0 x4。通常のデスクトップPCのx16接続と同じ性能を期待して買うのは避けたいところです。

もう一つはSSDです。国内公式仕様では、二つのM.2スロットはx4とx1に分かれています。高速なSSDを追加しても、接続側の上限まで一緒に増えるわけではありません。モデルの保管量を増やしたいのか、頻繁な読み込み・コピーを速くしたいのかで、増設先を考えてください。MINISFORUM国内仕様

USB4の高速接続や拡張カードを使わず、会話モデルを1台で動かすだけなら、機能を持て余す可能性があります。必要な端子を具体的に挙げられる人ほど選びやすい機種です。

拡張カードや外付けSSDを検討するワークステーション構成のイメージ

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MINISFORUM MS-S1 MAX 128GB/2TB

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MINISFORUM MS-S1 MAX 128GB/2TB

高速USBと内部PCIe拡張を使う構成向けの128GBミニワークステーションです。

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EVO-X2:1台で使い、2.5GbEで足りる人へ

EVO-X2は、PC内部へモデルを置き、ディスプレイやキーボードをつないで使う構成の候補です。今回の3機種を比べる際も、10GbEが必要かどうかを切り分ける起点にしやすいでしょう。

LANは2.5GbE×1ですが、USB4は前後に備えています。周辺機器のつなぎ方がこれで足りるなら、あとは128GB/2TB構成の販売条件と保証で比較できます。「常に最安」とは決めつけず、同じメモリ・SSD容量で見積もるのが確実です。

置き場所には外部電源アダプターも含めてください。本体だけが棚に入っても、アダプターやケーブルが通気を塞いでしまっては扱いにくくなります。GMKtecの仕様、国内製品案内

大容量ファイルを10GbEのNASから頻繁に移す予定がある人や、内部へPCIeカードを挿したい人は、必要な接続を持つ別候補と比較しましょう。

ミニPCの本体と外部電源アダプターを離して置く机上構成のイメージ

※画像は生成AIを用いた独自生成イメージです。実製品の写真ではありません。

GMKtec EVO-X2 128GB/2TB

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GMKtec EVO-X2 128GB/2TB

2.5GbEとUSB4を備え、1台で使う構成を検討できる128GBミニPCです。

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GTR9 Pro:10GbEと内蔵電源を選ぶ人へ

GTR9 Proは、10GbE接続を使いながら外部電源アダプターを減らしたい人の候補です。内蔵電源なので、机の裏へ大きなアダプターを置く構成を避けられます。

二つの10GbE端子やUSB4があっても、それだけでモデルが速くなるわけではありません。たとえばNASへ保存したモデルを移す用途なら、接続先の速度もそろって初めて利点を生かせます。

国内向け公式ページには128GB/2TB、Windows 11 Pro、3年保証という記載があります。ただし、Amazonで選ぶ販売者の保証条件が同じとは限りません。購入窓口と修理時の返送先を確かめて選んでください。Beelink国内仕様・サービス案内

内部拡張カードが必要ならMS-S1 MAX、2.5GbEで足りるならEVO-X2も比較対象です。使わない高速LANのために予算を増やす必要はありません。

PCとNASを10GbE対応スイッチで結ぶ構成のイメージ

※画像は生成AIを用いた独自生成イメージです。実製品の写真ではありません。

Beelink GTR9 Pro 128GB/2TB

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Beelink GTR9 Pro 128GB/2TB

10GbE端子2基と内蔵電源を備えた128GBミニPCです。

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購入前は、保証期間より窓口と構成をそろえる

商品名に「最大128GB」と書かれていても、選択中の構成は64GBという場合があります。今回の記事で比較しているのは、実際に128GBメモリと2TB SSDを搭載する構成です。

保証の案内も、メーカー直販、国内代理店、Amazonの販売者で分けて読みます。

製品今回確認できた公式側の表示Amazon購入前に確認すること
MS-S1 MAX国内公式ページに24か月製品保証の案内その販売者の品が対象か、修理受付先はどこか
EVO-X2グローバル公式に1年保証の表示日本での購入条件、返送先と送料、初期不良対応
GTR9 Pro国内向け公式製品ページに3年保証の表示販売者独自の保証との違い、国内で受け付ける窓口

出典:MINISFORUM国内製品ページ、MINISFORUMポリシーセンター、GMKtecグローバル製品ページ、Beelink国内製品ページ。これは公式側の表示比較であり、全販売者へ共通の保証を約束する表ではありません。

注文前には、CPUがMax+ 395であること、128GB/2TBが選択されていること、新品・整備済み等の区分、OS、日本で使う電源仕様、販売者・発送元・保証窓口をまとめて確認してください。価格・在庫・発送予定は、注文時に販売ページの表示を確認してください。

届いたら短い入力からGPU利用を確認する

大きいモデルをいきなり最大のコンテキストで動かすと、認識の問題なのか容量の問題なのか切り分けにくくなります。モデルを大きくする前に、次の順で確認しておきましょう。

  1. OS上でメモリ容量とGPU型番を確認し、注文した構成と照合する。
  2. メーカー案内に沿ってBIOS・GPUドライバー・推論ソフトの版を確認する。
  3. WindowsでVGMを変更する場合は、対応するAMDの手順を確認し、変更後に再起動する。
  4. 軽いモデルと短い入力で起動し、GPUへ読み込まれたかを確かめる。
  5. 本命のモデルへ替え、入力を段階的に長くして必要メモリと待ち時間を確認する。

Ollamaでは、モデルの実行中に次のコマンドで読み込み先を確認できます。

# GPUへ読み込めているかを、回答が出ることとは別に確認するため
ollama ps

PROCESSOR欄の100% GPUはGPUへ全体が読み込まれた表示、CPUとGPUが併記される場合は分割された表示です。これは回答速度の合格判定ではないので、同じモデル・量子化・入力長で、返答が始まるまでの時間と生成中の速さを別々に見てください。Ollama FAQ

上記は購入後の確認手順で、この3機種で実行済みの結果ではありません。認識がうまくいかない場合はOllamaがGPUを使わないときの切り分け、長文だけで重くなる場合はOllamaのコンテキストとメモリ不足の対処へ進んでください。

よくある疑問

小さな会話モデルだけでも128GBを選ぶべき?

使いたいモデルが手持ちのPCへ収まり、待ち時間も許容できるなら、買い替えを急ぐ必要はありません。128GBは大きいモデルや追加の作業領域を確保する選択肢です。容量を増やすだけで、小さなモデルの生成速度が同じ割合で上がるわけではありません。

SSDを増設すれば、モデル用のメモリも増える?

増えるのは主に保存場所です。SSDへ多数のモデルを置けても、同時にGPUで使えるメモリ領域が増えるわけではありません。メモリ不足の対策と、モデルを保管する容量の確保を分けて考えましょう。

10GbEが2ポートあれば、2台のメモリを簡単に合算できる?

LANでつなぐだけで1台の大容量GPUと同じになる、と考えて買うのは避けたいところです。複数台での処理には、それに対応したソフトと設定が必要です。今回の記事は1台での利用を基本にしており、クラスター構築の動作や性能は検証していません。

3機種のどれを選ぶ場合も、注文前に「モデルと文章量」「OSと推論ソフト」「必要な接続」「購入窓口」を一組にできれば、容量表記だけに引っ張られずに判断できます。

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